55歳からの行政書士への挑戦

50歳からの副業

はじめに

だいぶ間が開きましたが、以前の資格試験関連のブログ記事で、「50歳の会社員がどのように試験勉強に臨んだのか」を説明させてもらいたいと言いました。
今回は、私の実際の受験勉強の第二弾として行政書士の勉強の話をしてみたいと思います。勉強の仕方は人それぞれですので、こういう勉強の仕方もあるのかと、皆さんのご参考となればと思います。

独学?受験校へ通学?通信?

中小企業診断士受験の説明でもお話しましたが、独学しているのか、受験校へ通学・通信しているのか、興味があると思います。結論的には、私の様に中高年のオジサンでなかければ、どちらもありと思います。
ただし、診断士の時にもお伝えしましたが、55歳からの受験生の場合、できれば通学をお勧めします。これは、前回の診断士の時の「勉強法等」に説明していますので、こちらを参考してください。

行政書士の勉強時間はどれくらい必要?

行政書士のストレート合格には、法律知識の素養などを勘案して個人差がありますが、600~1000時間の勉強が必要と言われています。
1日平均で4時間の勉強をして、800時間を確保すると仮定すると、7カ月強の期間が必要となります。

11月上旬が試験日なので、今月・来月スタートがギリギリといえるかもしれません。勉強イメージで言うと平日3時間で土日6時間の勉強を11月まで続けることになります。
大変だと思うかもしれません。診断士の時にも言いましたが、マラソンと同じで、ルーチンとして勉強を続けていると、実は慣れてそんなに苦ではなくなります。

時々は、お酒を飲んでいるのか?

お酒を飲むのが好きな人はどうしてるの?とか、接待でお酒を飲んでしまったときはどうするの?との疑問も中高年の場合はあると思います。受験生の中には、合格するまで禁酒するという人もいるでしょう。それを否定はしませんし、人それぞれです。

ただ、私は、お酒を飲むのは嫌いではないので、回数は減りましたが、まったく飲んでいないという訳ではありませんでした。2週間に1回くらいは飲んでいたと思います。確かに、飲んだ後は勉強になりませんでした。それでは、どうしていたのか?

私の場合、2次会には行かないと決めていました。そうすると、通勤で1時間半くらいでしたが、意外に家に帰り着くのが早く、だいたい10時前後に帰れました。で、その後ですがお風呂に入ってすぐ寝ていました。そして、3-4時くらいに起きて、昨日の夜の勉強不足分を補う様にするのです。
日頃の勉強で疲れた頭のリフレッシュもできるし、自分的には時々はお酒を飲んだ方が良かった気がしました。

行政書士と診断士の勉強で感じたこと

横道にそれましたが、勉強の話に戻します。それぞれ、両方の勉強に慣れてくると、時に面白いと感じました。

診断士は1次と2次で勉強の仕方がまったく違います。1次は記憶科目で、試験はマークシートであり、点数による絶対評価で合否が決まります。2次は思考科目であり、一応絶対評価としていますが、結局、筆記なので受験生の2割程度を通す相対評価と言われています。

1次については、経済学、経営学、IT、法律など7科目と多岐にわたります。なので、1科目に飽きたら別の科目を勉強するとして、結構、ダラダラと長く勉強できる感じでした。
2次は、逆に財務科目以外の3科目は思考を試す、言い換えると、思考の作法を試す筆記となっています。財務を毎日少しずつ加えるにして、他にせいぜい1日1科目といった感じでした。

対して、行政書士は、他に一般知識的な科目もありますが、やはり法律系(行政法・民法・憲法・商法)の受験科目が、勉強の中心となります。

正直、各科目の基礎的な知識を記憶するまでは、中高年には少々辛いものがありました。但し、記憶の山を越えてしまうと勉強が楽になると同時に、点数も安定してくると思います。
また、法律は日常生活に係る知識でもあるので、この点で徐々に面白くなっていったと感じました。私の場合は地方自治に興味があったので行政法が好きでした。

逆に、診断士の場合は、1次については、試験分野が広いのと、経営学や経済学の様に抽象的な内容も多いので、ある一定の水準から安定的に合格点に至るまで、点数を伸ばすのがしんどいところもありました。
また、2次試験は、設問の意図が謎解きの様に非常に取り難いので、勉強時間の割に点数に直接的に結びつかない、もどかしさを感じました。

勉強については、上記の様にそれぞれ一長一短があります。

受験者数と合格率の推移

よく比較される、行政書士・社労士・診断士の受験者数と合格率の過去16年間の推移を纏めてみました。

受験者数

まずは、受験者数です。受験者数はざっくり行政書士5万、社労士4万、診断士1.5万人という感じです。傾向は行政書士・社労士は2010年をピークとして減少傾向、診断士は横ばいです。特徴として、不景気になると国家資格の取得熱が上がるので、2010年はリーマンショック、最近の上昇傾向はコロナ禍の影響を受けていると言えると思います。

今後、コロナ禍の状況等が落ち着いてくると少し受験者数が減るかもしれません。

行政書士の試験は難しい?

以下のグラフにあるように、行政書士の合格率は10%前後、社労士は7%前後、診断士は5%前後となっています。数値だけ並べると、一番難しいのが診断士で、易しいのが行政書士と思えますが、決してそうではないと思います。

合格率

記憶事項が多い、社労士と行政書士の試験でも、社労士は完全マークシート、行政書士は文字数が少ないですが3問ほど筆記があります。診断士は思考力を試す試験科目も多いですし、難関の2次は完全筆記で文字数もかなり多い試験となっています。
それぞれの試験には特徴があり、難しさや易しさは人によって感じ方がまったく違うと思います。

ちなみに、私の場合、中高年であり、元々あまり記憶するのが得意でなかったので、診断士の試験の方が、行政書士の試験よりも取組み易かったような気がしています。特に、財務・会計は経理・財務畑のサラリーマンだったので、好きな科目で勉強も苦になりませんでした。

上記の様に、3つの資格は、ほぼほぼ10人に一人しか合格しない資格です。この点で難関資格と言われていますが、真面目に勉強して臨む人は肌感覚として1/3のような気がしています。これを勘案すると、3人に一人が受かる試験と言えます。

また、3つ資格とも会社勤めをしている人が受けることが多いので、あまりにも細かい点をつく問題はあまり出ていない気がします。ついては、数年掛かるかもしれませんが、真面目に勉強を続ければ多くの人が合格できる試験だと思います。

そして、行政書士の仕事は?

私は、運よく行政書士は1年で合格して、昨年6月に登録。現在は、もともと住宅メーカーに勤務していた関係で、建設業・産廃・不動産の許認可の申請支援や、診断士の資格と併せ、建設業関係の経営支援をする仕事を中心にしています。

私の周りの行政書士では、飲食店の許認可取得支援や、相続などの民事系の仕事、外国人の在留資格申請、芸術家の経営支援、ドローンの飛行許可、補助金申請支援、など様々な分野の仕事をしています。行政書士は1万種類の行政関連等の書類を扱えると言われています。

行政書士は、挑戦して損はない資格と思っています。

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