中小企業診断士の魅力って?

50歳からの副業

前回のブログで「私の中小企業診断士資格取得までについて、説明してみたいと思います」と言いました。私の実際の受験勉強のお話の前に、診断士の実態のどの点に惹かれたかについて説明をしてみたいと思います。

「名称」独占資格

まず、いかに診断士資格を目指すモチベーションを持ったかをお話したいと思います。

はっきり言って試験勉強を始めるまで、中小企業診断士という資格が何をしている人の資格かを知りませんでした。もっと言うと、診断士で独立できる資格なのかも疑問でした。

診断士は、経営コンサルタントとしての唯一の国家資格です。でも、税務申告の代理は税理士しかできないとか、弁護士は刑事裁判の弁護人になれるとか言った「業務独占資格」ではありません。
診断士を名乗れる、単なる「名称独占資格」です。経営コンサルタントには、資格がなくてもなれますし、資格がない人で活躍されている方も多数います。

診断士資格を、自虐的には「足の裏についた米粒」と言っています。そのこころは「資格を取っても食えない」との意味です。でも、ほんとにそうでしょうか?

試験科目と勉強期間の負荷

その割に、1次試験(マークシート)・2次試験(筆記・口述)と、合格後の実務補習と、登録するまでにほぼ1年間を要します。受験勉強も最短で1年ほど掛かるので、受験を決断してから丸2年を必要とする試験となっています。
1次2次試験を一発合格者もいますが多数派ではないので、受験勉強期間を2年として、3年計画で取得するの人が一般的とも言われています。かく言う私もそうでした。

また、受験科目も1次で、経済学・経済政策/財務・会計/企業経営理論/運営管理/経営法務/経営情報システム/中小企業経営・政策と、広範囲な7科目2日間のマークシート試験があります。
1次合格者に対して2次試験では、組織・人事/マーケティング・流通/生産・技術/財務・会計の4科目ですが、80分/科目の丸1日かかる筆記試験があります。
これらをクリアして、口述試験と実務補習15日間を終えて、初めて登録可能となります。

なぜこんになに苦労してまで、合格率が5%ほどの難関資格の診断士を目指す人が多いのでしょうか?

試験勉強に飽きがこないの?

個人的には、試験勉強そのものが面白いという点があります。ビジネスに関係する経済学から法律まで幅広い知識を体系的に習得できる資格試験は他にありません。受験勉強も長くつらいものですが、勉強に飽きがこない不思議な資格と聞きました。

実際に勉強してみると、変な言い方ですが、法律やITなどの記憶科目に疲れたら経済学で頭を使い、会計の計算に疲れたらマーケティングの勉強をするといった、使う脳みその使い分けができるので、結構長時間の勉強があまり苦にならない資格試験でした。
また学んだ知識が、会社員当時の現場で利用できる面白さも見逃せないと思いました。

独占業務がなくても大丈夫?

上記は、協会が2021年5月に発表した「中小企業診断士活動状況アンケート調査」からの抜粋です。「コンサル業務の依頼のキッカケの上位5つを上げる」質問の内、1位に上げられた選択肢の内訳です。

「中小企業支援機関・商工団体等からの紹介」が24.8%と最も多くなっています。診断士は、経産省が中小企業支援法に基づいて実施する国家資格です。なので、経産省の傘下にある商工会議所・商工会などの支援機関からの依頼が一番多くなっているのがうなずけると思います。
他の有名どころで言うと、弁護士は監督官庁がありませんが、税理士は国税庁、社労士は厚労省、行政書士は総務省が監督官庁となっています。

診断士には「独占業務」がないことは既に説明しましたが、だからと言って、他の士業の様に国家資格なのに官に関係する仕事がないかと言うと、それはまったく違うことがデータで分かると思います。
ご存知の通り、経産省は「民間の経済活力の向上」を目指す官庁であることから、多数の企業支援の施策を行っています。もちろん個々の診断士自身の能力に対する評価の結果ではありますが、その支援に関わることが多くなっています。

資格を調べるにつけ、独立をしても受注面で極端に苦労することはないのではと思えてきました。

有名な診断士のネットワークって?

同じアンケート結果によると、仕事獲得のルートは「他の中小企業診断士」「県協会からの紹介」「現在や過去の顧問先企業からの紹介」等の紹介が上位を占めています。仕事の獲得では自助努力で確保するというよりも、人的ネットワークからの紹介が多くなっています。

特に、「他の中小企業診断士」が第2位で10%以上もあるのが不思議です。同業者は競合他者であり、普通は仕事を紹介する前に、自分が抱え込んでしまうことが多いと思います。なのに、診断士からの紹介が2番目に来ているのは不思議ではないでしょうか?

診断士の業務範囲は多彩です。あらゆる業種の販路拡大・経営改善・計画作成・IT戦略などに及びます。
実は、いくら幅広い知識をもっていても、すべての企業のニーズに応えられるスーパー診断士はいません。必然的に、自分で対応できない仕事は他の診断士を頼らざるを得ないんです。

診断士は非常に横の繋がりが強く、様々な領域の数多くの研究会があります。私は、これは仕事の性格上で自然発生的に生まれてきている現象だと思っています。

私の診断士の資格の一番の魅力はこの「横の繋がり」でした。言い換えると、診断士会自体が究極の異業種交流会だったことなのかもしれません。
現在、「住宅ビジネス研究会」やその他の団体に所属して、いわゆる「横の繋がり」を持つに至っています。

最後に

診断士資格は、「足の裏についた米粒の様な」資格と揶揄されています。でも、それがほんとうではないこと※が、少し調べるに内に分かってきました。
逆に、究極の異業種交流会の様な資格組織であり、非常に魅力的でぜひ試験に挑戦してみたいと思うようになりました。次回は「50歳の会社員がどのように試験勉強に臨んだか」をお話したいと思います。

※但し、そもそも事業者様に役に立てるようになるためには、私自身の住宅業界などへの専門性や経営手法等の経験や知見が前提となりますが・・・

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